2014年 11月 09日
42.各國元祖竒妙成手術 前田正二 元イント国人アレキハースン改名 |


◆上段図(ビラ)明治16年(1883年)頃、44.9×33.3㎝、木版墨刷り
明治16年3月9日の奥羽日日新聞に「印度人手品」と題して、「大新亭 同亭に興行中なる元は印度のアレキハースン、今は日本の前田正二が手品は、中々の景気なりと」と、また同年4月14日の山形新聞に「手品興行印度人前田正二連の手術は、一昨夜より丸万座にて興行になりしが、反物其他の景物出すので随分の大入なり」と、さらに明治17年(1884年)4月20日の新潟新聞に「永楽座にて去る十六日より興行する前田正二の鬼術(てじな)は、見物人も可なりの入りなるが、毎夜人数に応じ手拭を蒔ので、一筋でも拾はぬは損だと、人を掻き分けて羽織の綻びるも忘れて引張あふ欲張り筋や、面白半分に人を掻き退け、頗る混雑を極めるといふ」とある。
ビラの中央下に「元インド国人アレキハースン改名前田正二」とあり、「カルタの当て物」、「人のカラダエ日本の刀ヲツキトオス」、「無尽蔵の酒」、「人体浮揚」など、8図が描かれている。ビラの絵柄が帰天斎正一のものとほぼ同じであることから、インド人・アレキハースンは、帰天斎正一の弟子になり、芸名を前田正二に改名したと考えられる。
by happymagic123jp
| 2014-11-09 18:12